池田愉養院(ゆよういん)付属研究室

東京都三鷹市 JR三鷹駅より徒歩3分。 整体 池田愉養院のブログ

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息・食・動・想

ひとが生きていく上で、他人に代わってもらうことができない活動は、なんでしょうか?

操体の橋本敬三先生は、息・食・動・想の4つを自己責任で行う活動として挙げています。
操体は、筋骨格系のみ、体のかたちのみを扱うではなく、健康についての総合的な考え方なので、このような話が出てきます。

息:呼吸。
食:飲食。排泄もこちらにいれておきましょうか。
動:身体活動。身体を動かす運動に加えて、静止した状態、姿勢もこちらに含まれます。※施術ではここを主に取り扱います。
想:精神活動。思考、感情。

この4つの活動と、それを含む環境(生活環境、人間関係)との関連の上に私たちの健康が維持されています。
睡眠はこちらには入っていませんが、大事なポイントです。

息・食・動・想・環境は互いに関連しています。
そして、それぞれがある程度以上のバランスを保っている必要があります。
どれかひとつがひどい状態であった場合を考えてみてください。
呼吸がうまくできない、飲食の不足もしくは過剰・・・
健やかな状態ではいられないですね。

ちなみに、仏教では身・口・意、の3つに人間の生活を分けています。
体による行為、口による行為(話すこと)、意識による行為(思考、感情)について、気を付けるように説いています。
人間の生活という、本来ひとつのものをどのように分類するのか、というところにそれぞれの世界観やアプローチの違いが表れています。

息・食・動・想について、どの面をより意識しているかは、人それぞれ違います。
それは個性であり、興味があることを深めていくのはよいことです。
しかし、ひとによっては、生活のある面には気を付けているけれど、別の面にはほとんど注意を払っていない場合があります。
このような項目別に考えてみることによって、生活を総合的に見る助けになることがあります。

あなたの息・食・動・想・環境の状態はどうでしょうか?
あなたの身・口・意による行為はどうですか?


では、この辺で音楽を。
ジャズピアニストのセロニアス・モンク、"don't blame me"

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掃除にたとえると

「身体をととのえること」を掃除にたとえて説明してみます。

ご自身でも掃除はできます。
当院では、簡単な掃除の仕方もお伝えしています。
施術は、まとめて、ひとりでは手の届かないところなどもきれいにするといった感じです。


生活をしていると、部屋にほこりがたまってきます。
身体も同じで、生活の中で、筋肉がかたくなったり、歪(ひず)んできます。
感覚としては、不快な感覚として現れます。

そのまま、掃除をしないとほこりはどんどんたまります。
油料理をすると、掃除も大変ですね。
部屋の汚れ方は、その人の生活の仕方によって変わります。
身体の歪み方も、その人の生活や心身の扱い方によって変わります。

たまたま家に友人を招いてパーティーをして、部屋が散らかったとします。
それを一度掃除すれば、またパーティーをしない限り、同じような散らかり方はしません。
同様に、たまたまいつもと違う原因があって、身体のどこかに不調を感じた場合。
施術をすることによって楽になれば、再発しません。

いつも油料理をしている家のキッチンを大掃除して、きれいになったとします。
しかし、同じような使い方をしていれば、またどんどん汚れていきます。
もう二度とキッチンが汚れないということはありません。
「施術を受けた後、一度楽になった。しかし、しばらくするとまた肩が凝る、腰がつらい」という場合はこのような状況です。
また、改めて歪んでいるのです。
あまり汚れないようにすることと、まめに掃除をしたほうがいいですね。

シミがついて取れなくなってしまうこともあります。
身体でいうと、筋肉が大きく断裂してしまった場合などは、古傷として残ってしまいます。
そのような部分は固くなりやすく、動きも悪くなりやすいので、他の部分よりケアをしながら、付き合っていくことになります。

だいぶ散らかってしまっている場合は、より手間はかかります。
まずは目立つところを整理して、だんだんときれいにしていきます。

どのくらいきれいにしておきたいか、には個人差がありますね。
かなりきれいにしている人もいますし、汚れていても気にしない人もいます。

身体も、どのくらいバランスがとれた状態にしておきたいか、には個人差があります。
とてもバランスがいい人もいますし、バランスが崩れてもあまり気にしない人もいます。
ただ、あまりバランスを崩し過ぎると、大きな不調や痛みとなります。

当院では、みなさまがきれいになるお手伝いをいたします。


*実は、この掃除のたとえには、「身体の働き」が抜けてます。
本当はもっとダイナミックなのですが。ややこしくなってしまうので。
もし、「身体の働き」をこのたとえに入れるのならば、
「この家は、半自動の掃除機能付き」
「本人も、他人も家の掃除は直接できず、掃除機能が働きやすいように、お手伝いをする」
といった感じになります。

では、ここで一曲。
ニーナ・シモン の ”I Wish I Knew How It Would Feel To Be”

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静の操法

前回の記事で書いた「動の操法」は、お客様ご本人に意図的に動きだしていただくものでした。
「静の操法」では、本人に意図的には動いていただかない、ということです。
そういう意味では、いろいろな手技療法の多くは、静の操法ということになります。
どのようなことを行うのか、主なものを簡単に紹介します。

「たわめる」
筋肉、筋膜などを伸びている状態より、他力的に縮めます。
ストレッチの逆ですね。
皮膚をずらすような感じだったりします。
動の操法は本人にも動いていただいて、たわめていることになります。

「解離」
こちらは引き離す感じです。
関節とその周辺の組織が癒着していたり、ねじれている状態から、伸びていきやすい方向に少し引き離してあげることによって、楽な状態に変わっていきます。

「まわす」
本人の楽な範囲で関節をまわします。
回し方は、左右にひねりを加えながらまわしたり、解離の状態でまわしたり、逆に軽く圧をかけた状態でまわしたりバリエーションがあります。
回す方向は左右比べてみて、違和感のない方向に回していきます。

「重力から解放する」
なんだかすごいことっぽいですが、軽く持ち上げることです。
本人の身体の一部、脚や腕、頭を軽く持ち上げて支えます。
そのとき身体がうごめきだしたら、それについていきます。
不思議ですが、身体はうごめきだすのです。
普段は重力に引っ張られているために、うまく現れていなかった身体の働きが出てきやすいように補助をするだけです。
身体は治ろうとする働きがあるのです。

ゆらしたり、身体をある位置で支えたりすることもあります。

さらっとですが、「静の操法」の紹介でした。


動と静、どちらの操法でも共通することを、いくつか書いておきます。
ある刺激によって、血流がよくなり、本人の身体の修復作用が働いた結果、楽になると考えています。

部分を扱っていても、全身に効かせる狙いで行う操法が多いです。

本人にとって、自然で楽な姿勢で施術を行います。
体幹が歪んでいたり、頭が横を向いていたり、手足の開き具合などは、その人のそのときの状態によって違います。
その状態は訳あって、そうなっていて、本人はそれが楽な状態なのです。
歪んでいるからといって、外見的にまっすぐな良い姿勢をとると、本人は窮屈な感じがします。
だから、本人の楽な姿勢で施術を行い、結果として整った姿勢が楽に感じるようになるとよいのです。

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動の操法

施術で実際にどんなことをするのか、書いてみます。
分かりづらいかもしれませんが、なんとなくイメージをもっていただければと思います。

まず、操法(そうほう)を大きくふたつに分けます。
「動の操法」と「静の操法」。

「動の操法」
お客様ご自身(※)に身体を動かしていただくものを、「動の操法」と呼んでいます。
(操体では受け手の方を「本人」、施術者のことを「操者」というので、以下はそれにならわせていただきます)
じわ~っと動いていただいて、ふぅ~と脱力する感じです。
動物が伸びをするのと同じです。
操者は、本人の動きに対して反対の方向に力を加えつつ、本人の身体が連動して動くように補助をします。

じわ~っとして、ふぅ~。
これで身体が整うのです。
固くなった筋肉はゆるみます。
ギシギシしていた身体に弾力が戻ります。
だらんと力が入りづらかった部分は、適度に締まってきます。
身体の連動がよくなります。

身体のどこかの部分を痛めるのは、その部分だけを酷使して動いていた結果であることがほとんどです。
本来、動作をするときは全身が連動して動くものなのです。
例えば、単純に片手を前に伸ばす行為でも、全身が協調して手が伸びればよいのですが、肩から先だけを動かしていると、肩や腕に負担がかかります。

身体が連動するように、と頭で考えて行為をしてもなかなかうまくいきません。
また、日常のなかでそれを意識し続けることは難しいです。
逆に、身体が連動する状態に整っていれば、特に意識しなくとも自然とそうなるのです。

動の操法を、「膝倒し」という方法を例として、説明します。
まず、本人は仰向けの状態で両膝を立てた状態から、両膝を左右どちらに倒しやすいかチェックします(動診)。
次に、操法にはいります。
本人に、倒しやすかったほうへ両膝を倒してきていただきます。
本人の両膝がいくらか倒れたところで、操者は倒れる反対の方向、つまり本人の両膝が立っている状態に戻る方向に片手で力を加えます。
本人の両膝とそれを支える操者の手は、力が拮抗した状態で静止します。
そして、本人の動きが腰だけをひねって膝を倒すのではなく、腰より上の部分も連動するように、操者は反対の手で軽く促します。
そのままじんわりと感覚を味わっていただいた後、力を抜いていただきます。
この間に本人の身体がうごめきだしたりするのですが、慣れてくるとその感覚に身をまかせる感じがわかってきます。
慣れなくても、身体は変化するので大丈夫です。
力が拮抗してから脱力するまでの時間は、そのときによって違いますが、だいたい数呼吸くらいで、本人に力を抜いていただくことが多いです。

なんとなく大変そうな感じがするでしょうか?

力比べではないので、力まないで、じわーっと動いていただきます。

操体では、本人が大変だったり、つらくないように行います。
逆に、本人につらい感じや違和感があった場合は何か間違っていると考えます。

動かしづらい方向ではなく、反対の楽な方向に動いていただくことが多いのも、操体の特徴のひとつです。
楽な方向に動いていただくことによって、動かしづらかった側の動きがよくなるのです。
なんだか不思議な感じですが、そうなるのです。


他の療法にも、本人に動いていただいて、その動きに抵抗をかけるものはあります。
そのようなもののなかには、本人がつらい動きを、がんばってやらせるものも少なからずあります。

また、西洋式のPNFやマッスルエナジーテクニックもやはり抵抗をかけるものです。
これらは特定の筋肉を狙ってひとつの操法を行います。
それに対して、操体では部分を狙って操法をすることもありますが、基本的には身体の連動を促し、全身に効かせる狙いでひとつの操法を行ってゆきます。


どうでしょうか?なんとなくはイメージできたでしょうか??
操法はかっちりと決まってはおらず、状況によって変化するので、曖昧な言葉遣いが多くなってしまいました。
なかなかうまく説明するのは難しいです。
また、感覚的なことはやっぱり受けてみないとなかなか伝わらないです。
興味をもった方は、施術を受けに来てみてください。

次回は「静の操法」について書きます。

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こわさない

当院ではお客様の身体をこわさないように施術をしています。

こう書くと、「あたりまえじゃないか!」という声が聞こえてきそうです。
しかし、実際どこかで施術を受けて身体を悪くした、ということはときどき聞く話なのです。

先日、話をした方は「首のヘルニアの症状が出たのは、その数日前に首を強く揉まれたせいじゃないか」と言っていました。
腰や股関節の状態が悪化したという話も聞いたことがあります。
施術中の骨折もあるそうです。
そこまでひどくなくとも、施術後に違和感がしばらく残ることはときどきあるように感じます。わたし自身も多少の違和感が数日残る経験はしたことがあります。

よくあるのは強く揉まれた部分におこる筋肉痛のような痛み。
揉み返しと呼ばれているものです。
強い刺激によって筋繊維や筋膜が破壊され、炎症が起こっている状態。
肉を料理するときに、たたいて組織をこわすことによって柔らかくすることがありますね。
マッサージ等で強く揉まれて、そのときはほぐれて柔らかくなった感じがするのは、これと同じだという話があります。
筋繊維がブツブツに切れちゃってると。
生きている肉は壊れると修復しようとします。
しかし、筋肉にも傷は残りますし、次はより強い刺激に耐えられるように固くなります。
これを繰り返すことによって、強揉みの悪循環にはいっていきます。

施術者や店によっては、どのお客様に対しても強さを変えるだけで、同じ施術をしているところがあります。
しかし、人それぞれ身体の状態は違うので、ある人に対しては害のない手技が、別の問題を抱えた人に対しては害になるということもあります。

他にもいろいろな話はあるようです。
強引な施術はおっかないと思います。

痛みのある施術で効果をあげているところもあります。
しかし、痛くなくて効果があるのであればそちらの方がよいと思われる方は多いはずです。

わたしは、むしろお客様に快・不快を聞きわけていただきたいのです。
施術のときには少しでも違和感があれば伝えていただきたいです。
当院で施術をするときは主に横になっていただきます。しばらく同じ姿勢でじっとしているときなどに、モゾモゾ身体を動かしたくなる感じは、なんとなくわかると思います。
こちらからお客様に姿勢をリセットしていただくこともありますが、モゾモゾしたくなったら、積極的にモゾモゾして身体を楽に微調整してください。
施術を受けていると身体は変わってきますので、快適な姿勢も微妙に変わってくるのです。

寝ている間に、寝返りをうったり、いろいろと姿勢を変えるのは無意識に身体の調整をしているのです。
施術中にあんまり寝返りをうたれると困りますが、姿勢を変えたい感じがしたときは遠慮なくおっしゃってください。

ヒポクラテスの二大訓戒
「まず、傷つけることなかれ」
「自然治癒力を崇(あが)めよ」
                           アンドルー・ワイル『癒す心、治る力』p.63

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